中学生のスマホ時間、どう整える?
- 生活リズムを守りながら、「自分で戻せる使い方」を育む
2026年08月19日
対象:保護者向け、教育関係者向け
教材:GIGAワークブック

中学生になると、部活動や塾、友達との外出などが増え、行動範囲が一気に広がります。それに伴い、連絡手段や防犯上の必要性から、自分専用のスマートフォンを持つ子どもも増えていきます。
小学生の頃は、リビングのテレビで動画を見る、家族共用のタブレットやゲーム機で遊ぶなど、ある程度は保護者の目が届く範囲で利用状況を把握できていたかもしれません。しかし、自分専用のスマホを持つと、状況は大きく変わります。
連絡・検索・学習・友人関係を支えるスマホを、「持たせるか、持たせないか」だけで考えるのではなく、生活の中でどう位置づけるかという視点が欠かせません。
また、使いすぎが気になる時も、単純に利用時間を制限するだけが解決法ではありません。何のために使っているのか、どの時間が押し出されているのか、本人や家族が取り戻したい生活は何か。そこから整理していくことが大切です。
今回は、中学生のスマホ利用を、禁止か放任かの二択ではなく、「使い方を整える」という観点から考えます。
01. 中学生のスマホは、「楽しみ」と「必要」が混ざりやすい

今の中学生にとって、スマホは遊びの道具であると同時に、日々の予定や人間関係を回す生活の道具でもあります。動画やゲームだけでなく、学校や部活動の連絡、調べ学習、写真の共有、友達とのやり取りも一台に集まっています。
そのため、保護者にとっては「遊んでいる」と見える時間の中にも、連絡や相談、課題確認が混ざることがあります。逆に、学習目的で開いた端末が、そのまま動画やSNSに流れてしまうこともあります。
中学生のスマホ利用を考えるときは、良い使い方と困る使い方がきれいに分かれているわけではない、という前提から始める方が実態に近いでしょう。
02. 先に見るべきは、利用時間より「削られた時間」
利用時間が長いと心配になるのは自然です。ただ、時間の長さだけで良し悪しを決めると、必要な使い方まで一緒に否定してしまいがちです。
先に確認したいのは、スマホによって何が削られているかです。睡眠、宿題、朝の準備、食事、家族との会話、翌日の持ち物確認。こうした日常の土台が崩れているなら、見直しは必要です。(※1)
反対に、連絡や学習、友達との協力に役立っていて、生活リズムも保てているなら、単純に「長いからだめ」とは言い切れません。
家庭で確認したいのは、次の三点です。
・何に使っているか
・どの時間が減っているか
・困りごとがいつ起きやすいか
ルール作りの出発点は、スマホそのものを悪者にすることではなく、生活のどこを守りたいかを見つけることです。
※1:GIGAワークブック(アドバンスト)P. 12 生活を見直そう
03. ルールは「時間・場所・目的」で分ける

ルールを作るときに、「1日○時間まで」だけで運用しようとすると、実態に合わなくなることがあります。中学生のスマホには、連絡や調べ物のように必要性の高い使い方も含まれるからです。(※2)
そこで、時間だけでなく、時間帯・場所・目的の三つで整理すると、子どもにも伝わりやすくなります。
・時間帯:夜10時以降は動画・ゲームをしない
・場所:食事中と就寝前はリビングで充電する
・目的:連絡や課題確認は可、だらだら視聴は見直す
こうした分け方にすると、「何でも禁止」でも「全部本人任せ」でもない運用がしやすくなります。
我が家でも、夜はスマホを使わない時間を決めていましたが、試験前に子どもから「友達とLINE通話をしながら勉強したい」と相談されたことがありました。
親としては最初、集中できるのか半信半疑でしたが、実際には雑談ばかりではなく、問題の確認をしたり、少し声をかけ合ったりしながら、それぞれ机に向かっていました。
子どもが理由を説明できる使い方は認め、生活リズムを崩す使い方は控える。
この明確なルールは、親子双方にとって分かりやすい基準になります。
また、親が子どもを一人の人間として信頼し、尊重して接することが、子どもの自律心を育むことにつながるのではないでしょうか。
※2:GIGAワークブック(アドバンスト版)P. 172 家庭のルールを考えよう
04. 守れないときは、意志より先に仕組みを変える

ルールを決めても、最初から安定して守れるとは限りません。友達とのやり取りが長引く、動画をもう一本見たくなる、通知が気になって手が伸びる。スマホには、やめにくくなる仕組みが多くあります。(※3)
そのため、「約束したのに」で終わらせるより、止めにくかった理由を具体的に分けて考える方が実用的です。
・終了時刻の10分前にアラームを鳴らす。親としても少し手間ですが、一度設定しておくと声をかけやすくなります。
・夜は寝室に持ち込まず、決めた場所で充電する。中学生になってから急に始めるより、スマホを持たせた時からのルールにしておくと運用しやすくなります。
・勉強中は通知を切る、または別の部屋に置く。前述の通話学習のように、目的がある場合は例外も含めて考えます。
・友達とのゲームは、始める前に終わる時刻を伝える。相手もいるため完全にコントロールすることは難しいものの、時間を意識するきっかけになります。
我慢の強さだけに頼らず、やめやすい環境をつくることが、中学生には特に重要です。失敗したときの振り返りも、「なぜ止められなかったか」「次は何を変えるか」まで進めて初めて次につながります。
また、友達が家に集まったときに、スマホのサッカーゲームを囲みながら盛り上がっていたこともありました。大人から見ると画面ばかり見ているようでも、子どもたちにとっては会話のきっかけになっている場面があります。
こうした体験は、スマホを使っているかどうかだけで判断せず、「何のために、どんな関わり方で使っているか」を見たいと思うきっかけになりました。
※3:GIGAワークブック(アドバンスト)P. 164 使いすぎてしまう時は?
05. 成長と予定に合わせて、ルールの運用を見直す
中学生の生活は、学年や時期で大きく変わります。部活動が忙しい時期、定期テスト前、受験を意識し始める時期では、必要な連絡量も自由時間の使い方も変わります。
だからこそ、ルールは一度決めたら固定ではなく、一定の間隔で見直す前提にしておくと運用しやすくなります。
見直しのときは、次のような点を整理します。
・最近困っている使い方はあるか
・今の時間設定は実態に合っているか
・自分で管理できるようになったことはあるか
・保護者の支えを増やした方がよい場面はあるか
守れている部分は本人に任せる範囲を広げ、崩れている部分だけを補う方が、ルールが「罰」ではなく「調整」になります。
06. おわりに:目指したいのは、「自分で戻せる使い方」
家庭のルールの目的は、ずっと親が監視し続けることではありません。
中学生のうちに、便利な道具を使いながらも、生活が崩れそうなときに自分で気づき、戻す方法を持てるようにすることが大事なのではないかと思います。
我が家でも、通話をしながらの勉強や、友達とゲームを囲む時間を通して、大人の感覚だけでは測れない使い方があると感じました。一方で、睡眠や翌日の準備が崩れるなら調整は必要です。
そのためには、禁止と放任のあいだにある「整える」という考え方が役立ちます。何を守りたいのかをはっきりさせ、うまくいかなければ仕組みを変え、成長に合わせて運用を見直す。そうした積み重ねが、自分で使い方を調整する力につながっていきます。
スマホを渡した瞬間から悩みはつきませんが、まずは03でとりあげたように、時間帯・場所・目的の三つで整理した簡単なルールをお子さんと話し合ってみるのはいかがでしょうか。
ぜひ、教材「GIGAワークブック(アドバンスト版)」も内容も参考にしてみてください。
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活用型情報モラル教材「GIGAワークブック」
・GIGAワークブック(アドバンスト版)P. 12 生活を見直そう
・GIGAワークブック(アドバンスト版)P. 164 使いすぎてしまう時は?
・GIGAワークブック(アドバンスト版)P. 172 家庭のルールを考えよう
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文:LINEヤフー みらいプロジェクト事務局
